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11/6(金)〜11/8(日)まで東京豊島区の豊島区役所旧庁舎で、Code for Japan Summit 2015が開催されました。今年はほぼ三日間フルに参加させて頂き、特に7日のDay2と8日のDay3は、Brigade(日本全国各地のCode for コミュニティ)関連の企画やセッションチェアをお手伝いさせて頂きました。

この日本のシビックテックの大事なイベントを、昨年と同様、忘れないうちに僕の感じた視点でまとめておこうと思います。

今回は三日間をDay1「行政と動き出す Code for ガバメント」、Day2「シビックテックと動き出す Code for ローカル」、Day3「みんなと動き出す Code for ソーシャル」という流れに分け、このイベントをきっかけに「さぁ、始めよう!」というのがテーマになっています。

Code for AmericaのデザイナーであるMollyさんやGitHubのBenさんなど海外ゲストも来られたり、国・自治体の関係者、デザイナー、NPOなど様々なプレイヤーが様々な切り口(地図、お祭り、教育、災害、資金獲得など様々なテーマ)でセッションが行われ、とても多彩。同じ時間帯に四つほどセッションがかぶるので、昨年以上に「両方聞きたいんだけど」って感じになりました。

加えて、のべ1,000人の方が参加していることもあって、たくさんの人とも交流したいわけです。なので、密度がとても濃い形となりました。

でも、やっぱり各地域のCode for コミュニティが活動してこそのシビックテック。今年はDay2のBrigadeショーケースを皮切りに、シビックテックのABC、そしてマップやお祭りなどの細かなテーマでも各地の取り組みが紹介されていました。

写真:fumihirokato

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これは各地のCode for コミュニティがそれぞれ特徴のある活動をしているからで、昨年とは大きく違っています。一年で日本のシビックテック活動がこれだけ進んだという証拠なんじゃないでしょうか。もう一度、上のグラフィックレコーディングを見てください。たくさんのCode for コミュニティの名前が書き込まれていますよ!

また、Day3では「シビックテックブリゲイドミートアップ」というセッションを開催しました。これは今回のサミットをきっかけに全国からコミュニティが集まるのであれば、会える人たちだけでもこのセッションで会って、日頃悩んでいることや話したいことを共有していこうよという趣旨のもの。日程の都合で残念ながら参加できなかったコミュニティもたくさんありましたが、それでも30名以上も参加して頂き、「他のCode for コミュニティと情報を共有したい」という各コミュニティの関心の高さが分かります。

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テーマは「継続性を持って続けていくには?」というもので、グループに分かれてディスカッションしましたが、各グループで話されたことは多種多様。「お金がない、足りない」という資金面から始まり、「一人の人に集中するので、その人が辛くなってきて、やめちゃう」という組織構築の問題、「技術をやりたい人もいれば、オープンガバメントをやりたい人もいる」という動機面の問題など色々です。

こうしたことをそれぞれの地域が自分たちの経験を踏まえて、”完璧な答えでなくても”教え合うという構図こそ、日本のシビックテックの発展に必要なことだと感じます。なにしろ、ここに集まっている人は、シビックテックという未知のものを(失敗もありながら)自ら実践している人たちで、間違いなくこの場にいる人こそが教科書だと思うんです。

シビックテックは課題を認識し、それを解決するアプローチを実践してこそ意味があります。お金だってもらえない、時間だってないなかで、好き好んでなんでこんなことをやっているのか?僕はそこにこそ、このテーマの答えがある気がするんですね。そこを間違えると、絶対にダメなんじゃないかって。お金がいらないわけでも、フルタイムな職員が必要じゃない、というわけでもないです。それが一番じゃないんだろうなぁって思います。

写真:fumihirokato

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急成長をとげているCode for コミュニティですが、各地域によって特性に違いがあります。最初に発起人になる人がどういうバックグラウンドを持っているかによっても、その特性が異なってくることもなんとなく分かっています。でも、その違いは大事です。

今後も全国のCode for コミュニティたちが連携しながら、ときには近隣のコミュニティどうしで協力しながら、ボトムアップ型で成長していけたらと感じています。まだまだ始まったばかりのシビックテックですが、日本を変える新しい形として機能できるよう、皆さんと頑張っていけたらと感じた三日間でした!

このイベントをギリギリまで準備してくれたスタッフの方々、イベントに理解を示してくださったスポンサーの皆さまに感謝です!

Brigade Meetup

全員集合

 

ちょっと時期外れな感じもありますが、2月に入って少し落ち着いたので、昨年、2014年のCode for Kanazawaについて振り返ってみました。何しろ、2014年は個人的にはシビックテック元年とも思える年。日本全国にCode for コミュニティが立ち上がり、多くのメディアが取り扱うようになり、一気にシビックテックの取り組みが注目された年でした。

Code for Kanazawaとしても大きく変化を遂げた年でもあったのですが、どんな一年だったのか。備忘録もかねてちょっと長文なので、興味のあるところだけ読んでもらえたら幸いです。

1. 5374の全国拡大

Code for Kanazawaの名前を大きく広げるきっかけとなったのが、この5374(ゴミナシ).jpというアプリの存在です。5374のWebサイト

このアプリは、”いつ、どんな種類のゴミが収集されているのか?”という簡単だけど、とても大事な問いにシンプルに回答しました。”資源ゴミはいつ捨てればいいんだっけ?”、”これは燃えるゴミ?”、そういうことが簡単に分かるようになったわけです。5374は2013年9月にCode for Kanazawaの手で金沢市版が開発され、10月25日にオープンソースとして公開されました。「まもなく公開するよ!」と大阪で公に発表したのがつい最近のような感じです。

それから2013年暮れに沖縄県の石垣市、豊見城市の二つの都市が5374をリリースされたのをきっかけに、2014年から様々な都市で開発が行われ、現在、65都市以上の都市に5374が存在するまでとなりました。また、facebook上に開発者や利用者のためのコミュニティが存在し、現在、163人のメンバーが情報交換を行っています。こうしたコミュニティでは5374をより便利にするツール(例えば、「5374をiCalに対応する方法」)などが自主的に開発されるなど、僕自身も皆さんの発想力と実現力に驚きます。

3月にはオープンデータ流通推進コンソーシアム(現:一般社団法人オープン&ビックデータ活用・地方創生推進機構)から優秀賞とOKFJ賞をダブルで頂きました。

12月11日〜13日に開催された日経エコプロダクツ展では日経さんの御力添えもあって5374ハッカソンを開催することができました。オープンデータやITとは違う環境系の方々にも5374という存在を広くアピールし、興味のある方にはその場で作ってもらうというワークショップを行いました。

今年2015年はこの5374を継続的に安定運用していくため、ビジネスモデルの確立を目指したいと思います。非営利団体が行う非営利事業として、どこまでやれるのか、意外に難しそうです。でも幾つかプランはあるので、ご興味ある方、ぜひジョインしてください!

2. アーバンデータチャレンジ2014への参加協力

UDC2014  UDC2014_2

アーバンデータチャレンジ2014の活動拠点の一つとして石川県から参画させてもらい、地域課題のためのオープンデータ活用とアプリ開発、コンテストへの応募を実施しました。4回連続のアイデアソン&ハッカソンを実施し、参加者はのべ92名。自治体関係者の方々にも多くご参加して頂いています。初回のアイデアソンでは1/3が自治体関係者で、アイデアを考える際に「こういうデータは既にあるので出せるかも」、「これは自治体としては実施しづらい」など、現実的なアイデアを作っていく上での助けになっていました。

こうしたことからも、自治体の方々も市民の大事なパートナーとしてともに考えて、ともに創っていく姿勢が大事だなぁと思われます。

最終的にアプリコンテストへの応募は、アプリ部門に3つ、データ部門に1つ、アイデア部門に2つ、ソリューション部門に1つ。

また、アーバンデータチャレンジのハッカソンをきっかけに、石川県として初めてオープンデータの公開が実現するなど、地域にオープンデータ活用の輪を広げていく活動としても成果を残せました。

プレミアム・パスポート オープンデータ

開発 されたアプリの幾つかは、Code for Kanazawaとして近々、リリースさせて頂きます!

3. 金沢市アプリ開発塾への協力

金沢市が実施するアプリ開発塾という取り組みにも、実際の開発塾コーチとしてご協力させて頂いています。このアプリ開発塾は、金沢市内と近隣の大学生チームにアプリ開発をコーチングしていくというものです。地域に若手の開発者を増やしていくことは、Code for Kanazawaの目指すシビックテックのためにも大事なことです。

現在も学生4チームとコーチ4人が熱心なミーティングを定期的に開いて、アプリリリースに向けて頑張っています。成果はきちんと発表したいなぁと思っていますので、ぜひ期待して頂けたらと思います。

4. インターナショナル・オープンデータデイ2014への参加

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昨年のインターナショナル・オープンデータデイは石川県では初めての開催であり、Code for Kanazawaとしても初めての大きなイベントでした。このときの青果物は具体的に動いていったものは残念ながらなかったのですが、このイベントでのオープンな場で皆で課題解決を考えていくというやり方に共感を覚えた方がとても多かったのが印象的でした。このイベントで複数の自治体の方ともつながることもできましたし、それよりも何よりも40名近くのたくさんの方に参加してもらえて、Code for Kanazawaをコミュニティとして広げていくきっかけともなりました。

この時、予算なんてほとんどなかったのにファシリテーターを引き受けてくださったRodoさんには大感謝です。

集合写真のアップロードが金沢だけ遅れて、しばらく写真が香箱蟹の写真(写真も送らずに懇親会で食べてた蟹の写真を呑気にSNSでアップしてた)が出ていたのも今では良い思い出です(笑)

5. 金沢井戸端会議(ミートアップ)の開催

Code for Kanazawaは気軽に参加して相談できる、話せるという場が用意されていませんでした。そこで、Code for Japanの有志で運営されている井戸端会議を参考に、気軽に集まれるミートアップの場を金沢でも用意しようと考えました。一部のシビックハッカーでは既に有名なCode for Kanazawaの西坂さんを幹事に「金沢らしく美味しい食事とお酒を頂きながら」という枕詞をつけて毎月開催されています。

気軽な会ということもあって、ハッカソンや他のイベントとは違い、いつも参加されない方々の参加が多いようです。Code for Kanazawaの活動を多くの方に知ってもらう場にもなっています。

6. コミュニティとしてのCode for Kanazawaの拡大

この一年の活動を通して、活動メンバーが大幅に増えました。もともとは9人で立ち上げたCode for Kanazawaでしたが、あれから1年半以上が経ち、新しい血がどんどん入ってきている感じがします。また、僕も含めてメンバー自身も経験を積み、様々なことにチャレンジできるようになりました。

市民が自ら参画して地域の課題に取り組む。誰でも参加できるオープンな場を用意して活動し、オープンに情報発信する。地域にとって中立公正の立ち位置でいる。どれも簡単なことではなかったりするのですが、こうした考え方を持った活動が世界を変えていくのではないかと思ったりしています。コミュニティが拡大し、多くの人がこうした考え方を持つことこそがキーなのかもしれません。

7. 全国でCode for Kanazawaの活動を先進事例として紹介

2014年はCode for Kanazawaの活動を広くご紹介する機会に恵まれました。2月のDevelopers Summitを皮切りに、月に一度はどこかでCode for Kanazawaのことをお話させてもらうといった感じでした。こういう機会を通じて、僕自身が様々なことを考えることができて成長できましたし、何と言っても各地域のCode for コミュニティやシビックハッカーの方々と交流できたことは財産となりました。

2015年もこういう機会に恵まれていくのかは分かりませんが、今後も機会がある限り、積極的に取り組んでいきたいと思います。

8. 一般社団法人化

2014年2月28日、任意団体でしかなかったCode for Kanazawaは一般社団法人コード・フォー・カナザワとして法人化しました。法人化したのは、今後リリースしていくプロダクトに運営面も含めて責任を持っていくという姿勢の表明と契約主体になれるというメリットからでした。

立ち上げた9人は、そのまま理事になり、今もCode for Kanazawaの活動に参加しています。法人として社員を増やす考えはなく、コミュニティCode for Kanazawaの活動を大きくしていきたいと考えています。

Code for Americaの存在を知り感銘を受けたものの、日本にそういったものがなかったため、それを創りたいと思ったのが2012年5月。仕事でお世話になってる方に軽い気持ちで相談してみたところ「それ創りましょうよ!」と後押しをしてくれたことが、Code for Kanazawa設立のきっかけでした。2013年5月に任意団体として設立される時、9名ものメンバーが集まったのも今考えると、とっても有り難いことです。

それからCode for Japanが立ち上がり、2014年に入ると続々と各地にCode for コミュニティが立ち上がっていきました。2014年はシビックテック系コミュニティ誕生の年だった気がします。

2015年はどんな年になるんでしょうか。僕としては、とにかく焦らず日本のシビックテックが成熟をしていく一年であって欲しいなぁって思っています。Code for Kanazawaとしては、アーバンデータチャレンジ等で開発されたアプリをきちんとローンチし、5374のビジネスモデルを確立し、石川県全体をオープンデータ、シビックテック先進地域にしていくことでしょうか…。

2015年は、Code for Kanazawaやシビックテックの世界から、たくさんのヒーローが出て欲しいなぁって思っています!これからもよろしくお願いします!

CfJ Summit 2014

10/10(金)〜10/12(日)の三日間、Code for Japanが主催する日本のシビックテックの祭典”Code for Japan Summit 2014″が開催されました。僕は、10日のプレイベントと11日のコアデイに参加させて頂き、コアデイでは午後のBrigade Showcaseのセッションチェアまでさせて頂きました。

この日本のシビックテックの大事な節目とも言えるこのイベントを、忘れないうちに僕の感じた視点でまとめておこうと思います。ちょっと長いんですが、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

まず、初日のプレイベントはGoogleの六本木オフィスで行われました。かの有名な社食が食べられるカフェの中に、100名以上はいたんじゃないかと思います。美味しい料理とお酒を楽しみながらリラックスした雰囲気で、代表の関さんの挨拶、一年間の活動の成果をまとめた動画、Google及川さんの講演などがありました。大事なのはネットワーキングということで出身地同士で集まってみたりするなど、参加している人たちどうしがつながるための時間がたっぷりあったのが印象的でした。

おかげで僕も色々な新しい人と話したり、懐かしい人とお会いできたりしました。一日目のネットワーキングは最高にうまくいったんじゃないでしょうか。

あ、理事三人のケーキ入刀もありましたね(笑)

ケーキ入刀

そして、大事な二日目のコアデイ。プレイベントが楽しかったので、朝からやる気で参加したんですが、皆さん、ゆっくりなのか開始時間になっても集まってこないという(笑)10分遅れのスタートでした。

まずは、関さんの基調講演。

この一年間を思い出しながらの講演という感じでした。なぜ、シビックテックに取り組むのか、それが参加者に伝わったんじゃないでしょうか。

そして、Googleの恩賀さんの講演。”Happy Civic Tech and CONNECT”というタイトルで、Googleがこれまで取り組んできたこと、なぜシビックテックが大事なのかなど、元気の出るお祝いのような講演でした。とても素晴らしいプレゼントもありましたし!

Google 恩賀さん講演

また、Code for Ameicaの元フェローのAndrewさんの講演は、CfAの活動やフェローが実際にやってきたことなど詳細を話してくれました。

CfA Andrew

印象的だったのは…、

  • 最初にポリシーや戦略を持って、考えたうえで色々なことをやっている
  • (アメリカであっても)自治体のカルチャーを変えることが大事と考えている
  • 市のWebの改良のために、ハッカソンをやって皆で市のWebの改良点を考えた(自治体関係者の皆さん、そんなことできますか?)
  • シビックテックに技術もコードもない、誰でもシビックハッカーになれる!
  • 作ったものの多くは使われないものになってしまっている、でもやっていくことが大事
  • 必要なら法律(日本なら条例かな)だって、CfAは作っていく
  • “Government as a platform”

CfA Andrew

進んでいる米国で参考になるところはとにかく貪欲に吸収したらいいと思うので、今後もウォッチしていきたいことがいっぱいでした。ただ、日本と少し状況が違うのかなと思ったのは、日本の場合、Brigadeと呼ばれる地域のシビックテック団体が力を付け始めているところ。フェローが地域に送り込まれて地域を指導していくような感じにも見える米国と違って、日本はBrigadeをどんどん活発にさせていったほうが良いと感じました。政府も地方創生だと言っていますしね!

その他、講演は続きますが、紹介しきれないので、ちょっと飛ばして昼食(笑)。無料のランチなんですよね。お昼に外へ出たりする時間もないし、こういうのはとってもオシャレで効率的ですよね。しかも美味しかったです。

lunch lunch

 

そして、いよいよ僕にしたら本番。午後の3つに分かれて行われるトラックの一つ、Brigade Showcaseです。

僕にしてみると、地域のシビックテック活動を推進するBrigadeこそシビックテックの主役という意識があります。そのBrigadeについて10地域の活動を参加者と紹介・共有できるのはサミットとして大事なことだと感じてました。あと、Code for Japanとして、そういう地域のコミュニティを助ける仕組みをちゃんと持っていて、ずっと色々と考えているんだよって示せる機会があるのは素晴らしいと考えています。

同時間帯でインターナショナルトラックが重なっていたので、参加者の数が心配だったんですが、実際には通路に椅子を置いても足りなくて立ち見の人がいたくらいの大盛況!午後は全部で六つのトラックがありましたが、ここが一番の参加者数だったそうです。人数が全てではないのですが、シビックテックに関心のある人たちがBrigadeにそれだけ興味を持ってくれているというのは嬉しかったです。

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(トラックの動画)

 

まず、挨拶のあと、Code for Japan Brigadeについてです。Brigadeとは何か?Brigadeになることで、どんな支援が受けられるのか?そして、BrigadeになるためのCode for Japanが提示する条件は?というお話です。支援の重要性と、なぜ条件があるのかを分かってもらうことに注力したつもりでしたが、なんか話したりない感じでした(笑)

 

続いて、Code for Kanazawa(対象エリアは石川県)の講演。大決算とタイトルをつけて、Code for Kanazawaがここまで手探りでやってきたことを話してみましたが、大決算するには時間がなさすぎでしたね。5374がどうして生まれたか?それがどうやって発展したか、シビックテック向けのアプリの話などをさせて頂きました。次回は小決算ぐらいにします!(笑)

 

次は、Code for Aizu(対象エリアは福島県会津地域)の講演。最近、金沢と会津は一緒に登壇することが多いんですが、それは二つがとても対照的なBrigadeだからです。金沢は法人化までした確立した組織があり地域に責任を果たせる形を持った上で、プロジェクト単位でメンバーを組み替える仕組み。それに対し、会津はネットワーク型でCode for Aizuという場の中に個人やグループが参加し、それぞれが会津のためになることを実行する緩やかな仕組み。

しかし、どちらも成り立っています。こんなふうにまったく違う二つがその地域で成立していることを見てもらうことで、地域のシビックテックコミュニティに正解の形なんてないことを皆さんに分かってもらいたいと考えています。

 

次いで、8地域(生駒市、南砺市、神奈川県、東京都、川崎市、滋賀県、佐賀県、流山市)にライトニングトークをして頂きました。4分しか時間がありませんので十分ではなかったかもしれませんが、各地域の取り組みが話されました。

スライドは見つけられた分だけ貼り付けてあります。もし、他地域の皆さん、スライドあったらご連絡ください。

(生駒市)

 

(南砺市)

 

(神奈川県)

 

(東京都)

 

(川崎市)

 

(佐賀県)

 

最後はパネルディスカッション「コミュニティの作り方」。モデレーターは、8月末までBrigade支援担当だった鈴木まなみさん。パネラーは金沢、会津、佐賀、流山のLT発表者がなりました。

特に、唯一の女性でもある流山の尾崎さんはLTでもそうでしたが、子連れでの参加。お子さんを抱っこしてのお話となりました。でも、それこそがシビックテックだし、何よりそういう姿が格好良かったと思います。参加者の皆さんに後でトラックの感想を聞いていたら、それがとても印象的だったとのことで、影響を与えることができて良かったです、ほんとに。

パネルでは、それぞれが自分についての話やコミュニティ運営で大切なことを話していきましたが、一言でそれぞれのコミュニティの形を言うなら、組織の金沢、緩やかな会津、子育てママが作る流山、発信の上手な佐賀という感じでした。そして、全部が気にしているのは多様性を保つこと。やはり地域の課題解決には、様々な考えを持つ人たちの参加が大事と考えているようです。

モデレーターの鈴木まなみさんも最後にまとめで話してくれたように、各地域にはそれぞれのコミュニティの形があって、それぞれのやり方があるようです。どうやらそれに間違いはありません。もちろん、最適な方法ではないかもしれなくて手探りで進んでいますが、少なくとも金沢のやり方は会津に合いそうにないですし、その逆も然りです。

地域には、その土地で作られた文化があり、そこで育った人たちの気質があります。トップダウンで「これだけの予算をやるからこうやれ」というやり方ならともかく、市民が自ら考えて、市民が自ら実行しようというシビックテックには、市民に一番合った仕組みでないと動きません。そして、市民に合った一番の仕組みって市民にしかできないんです、きっと。

”よそもの、若者、バカもの”の三つの者が地域活性化に必要だという話があります。でも、僕はそんなものより、自ら考える市民の方がよっぽど大事だと思っています。よそものの視点で見てもらうことには価値があります。でも、主役は市民なんです。責任だって市民にあります。その地域と運命をともにするのは市民なんだから。

自ら考えて実行できる市民が増えれば、必要な視点は放っておいても、彼らが見つけるでしょう。

僕らがやれることは、自ら動く市民が創りあげた各地域のコミュニティの形や取り組みを共有していき、そういう市民を増やすことなんじゃないかって、そう感じました。

外からありがたがって人を呼ぶ必要なんてないですよ。そこで色々とやれる人たちはいっぱいいるはず。で、そういう人はちゃんと外を見ているはず。その上で、外の人たちと連携すればいい。

Code for Japan Brigadeリーダーとして、そんなことを感じたBrigade Showcaseトラックでした。

参加してくださった皆さん、このイベントのためにほとんど夜も寝ずに頑張ってくれたスタッフの皆さん、Code for Japanありがとうございました!!

7月12日(土)、7月13日(日)と能美市辰口温泉で開催されたウルトラアート七夕縁日は大盛況のうちに終了しました。

二日間、運営側の一人として現場にいながら感じたことは、能美市の普通の人たちがこの縁日をとても楽しんでいること。アートが普通の人たちに展開されていく様子が感じられました。ほんとに近所から集まってきて、そこに座ってアートを楽しむ。そんな姿があちらこちらで見かけられました。子供たちもとても多く、家族の楽しむ姿はまさにアートの縁日!

それは運営サイドもそうで、このイベントの実施の大部分は能美市在住やゆかりの人たちが手弁当で助け合って実施されています。

 

今、多くの地域でアートを軸にしたまちづくりや地域活性化、観光誘客が試みられています。能美市のウルトラアートもその一つと言ってしまえばそれまでなんですが、幾つかの可能性を感じました。

  1. 地域の普通の場所がアートエリアになる
    今回の場所は「辰口温泉」でした。会場になった多くの場所がそうですが、特にアートを映えるように見せるために作られた場所ではありません。それどころか、そこは普段から普通に使われている農道だったり、駐車場だったりしています。
    なので、完璧を目指そうと思えば不満も出てくるところはないわけではありません。しかし、通常の空間がアートを展開できる空間になるということは、町全体をアート一色にしていこうと思った時に、それは大変な強みになると思います。
    今回の七夕縁日で、ウルトラアートの実行部隊がそれをできるということを証明できたことは大変な意義だったのではないかと思います。


  2. 市民が主体になって参加するアートイベント
    一日目だけで少なく見積もっても2,500人以上の方が参加されていたそうです。(失礼な話ですが)普段はそんなに賑わうことのない場所が、その両日だけは人にあふれていました。その多くは市民の方だったようです。ローカルに閉じたイベントだなぁと思えるのですが、それは異なる見方もできると感じてきました。
    多くのアートプロジェクトの模範例となっている新潟県の越後妻有「大地の芸術祭」でさえ、最初は現代アートに積極的でない地域が多かったと聞いています。それだけこうした地域に根ざしたアートプロジェクトをやろうということは難しさがあるということだと思います。
    しかし、ウルトラアートの関係するイベントは、実は昨年から少しずつ色々な場所で実施されていて、それぞれの地域で地元の参加者を多く集めてきました。これは地元の理解が着実に広まっているということを示します。また、今後も能美市で実施されてない地域を中心にアートイベントが展開されていくという話を考えると、しだいにアートは能美市全体の共通認識となり、住む人みんなが何かしらのアートを楽しむ町になっている可能性があります(これはとても素敵ですよね!)。
    それは、来年2015年のウルトラアートフェスティバル(本祭)実施に対する、とても強いパワーになることは間違いありません。そして、そういったパワーが波紋のように市外、県外へ広がっていくのではないかとさえ思います。


  3. オープンイノベーションなアート
    ウルトラアートは、その根本にオープンな思想があります。それがシェアアートです。
    シェアアートは、クリエイティブコモンズ(CC)のライセンスルールを使って、アートをオープンに利用できるようにしようという考えです。シェアアートでは、作品そのものだけでなく、自分のシェアレベルに応じて「作品の作り方(設計図や製造メモ、レシピなど)」や「作品素材(aiデータや材料など)」まで提供可能になっています。オープンにしたければ、作品の写真の利用だけでなく、作り方と素材まで提供して、誰でも同一又は類似のアート作品を創り出すことができるというわけです。
    アーティストはオリジナリティが勝負だということは重々承知ですが、その一方で良いものを真似して(影響されて)様々な作品は創られてきているはずです。
    作品をオープンにし、誰もがアートに携われる時代。ウルトラアートは”一人一人がアーティストに”という考え方があります。まさにその実践になっています。
    今回の七夕縁日の作品群の多くもシェアアートとして公開される予定です。

ultra5

今後も、どんどんと色々な取り組みが実施される能美市のウルトラアート。(ボランティアベースになりますが)このアート事業に携わりたい人 は誰でも参加できます。能美市外の方でも構いません。

この可能性を一緒に楽しんでみませんか?ご興味がある方は、infoatultraart.jp(atは@に変更してお送りください)までご連絡ください。

今後も能美市ウルトラアートの応援をよろしくお願いします。

ウルトラアート七夕縁日

いよいよ明日7月12日(土)から二日間かけて、辰口温泉ウルトラアート七夕縁日が開催されます。七夕にちなんで辰口温泉を光の温泉に演出するアートイベントで、楽しいだけでなく美しくロマンチックな温泉街を創り出します。子供はもちろんですが、女性の方々もきっと満足できるはずです。

ウルトラアートは以前も記事に書きましたが、昨年度から始まっている石川県能美市の観光事業として立ち上がっているもので、来年2015年秋に開催される第1回のウルトラアートフェスティバルに向けて、着々と準備が行われています。

もともとは、プランナーである株式会社マシロの北野さんがこのアート事業の絵図を書き、現在はウルトラアート de 元気プロジェクトというコミュニティ組織が能美市行政の方々と一緒に取り組んでいます。僕は元気プロジェクト内で、ウルトラアートのITによる情報発信、コミュニティの拡大、そしてオープンなアートコンテンツ(シェアアート)の設計と情報発信などを担当しています。

このウルトラアートが明日からの二日間の七夕縁日イベントをプロデュースしていますので、まずはイベントを簡単にだけご紹介します。明日本番までは写真は差し控えたいので。…完成してない作品もあって写真がないって話もありますが(笑)

まず、”ひかりのみち”です。駐車場から会場までつながる田んぼ道。普段はこんな感じですが…。

ひかりのみちセット前

ここが能美市の保育園児たちの七夕の絵をもとに作られたライトが照らしてくれます。完成型はおそらく今晩でないと見られない気もするのですが、何もなかったところとは思えないぐらいに美しく彩られるはずです。

また、来場者には先着1000名でこんなプレゼントもあります。これは来場してくれたお客様自身も”ひかり”を身につけてもらうことで、会場全体も空間アートとして演出できたらと考えているからです。

”一人一人がアーティスト”、そういうふうに語ってくれた能美市役所の方の言葉に共感して、僕らとしては、今回、全員がアーティストとして参加してもらえたらと思っています。

また、辰口温泉の足湯には竹細工とミラーボールで作られた光の巨大オブジェが設置されます。今はまだこんな感じですが…、当日までには完成します!作ってるところを観たいですか?…今晩、設営中のときに見られるかもしれませんよ。

そして、弊社アイパブリッシングからは保育園児の七夕の絵をスキャンして取り込んだものをつなぎ合わせた映像の投影をひかりのみち付近で行います。スキャナはもちろん、PFUさんのSnapLite

イベント当日、その場で絵を描いてリアルタイムに映像へ追加もできますので、七夕の絵を描きたいというお子さん、女性の方(もちろん男性の方もOKです)、ぜひ描きに来てください!SnapLiteが、ガンガン稼働しますよ(笑)絵を描いてくれた方には、PFUさんご提供のちょっとした素敵なプレゼントがもらえるかも。

どんな映像かは当日までのお楽しみですが、実は少しだけ能美市のマスコットキャラクター”のみまる”くんが登場します。しかも…、な、な、なんと動きます!

 

動かして良かったのか分かりませんが…、ウルトラアートはオープンなアートを目指してます。きっと大丈夫なはず!!

映像は3Dバージョンもあるので、そのときは会場に準備してある3Dメガネでお楽しみください。お子さんの絵が飛び出て見えるので、ビックリです。

なお、こういったアートものだけでなく、縁日ですから飲食ブースやひかりものの夜店(宝石の類ではないです)、路上パフォーマンスもいっぱいです。ピエロ、火の舞踏、マジック、ジャグリング、アカペラなど、なかなか見られないパフォーマンスも多いので、ぜひそちらも楽しんでください。

また、土曜日だけ同時開催で近くにある里山の湯でもウルトラアートのイベントをしています。こちらには”五彩風船の森”やハンモックcafeなどがあるので、必ずこちらもお立ち寄りください。五彩風船の森は、昨年、スカイパラソルを手がけたメンバーが手がけてますよ。

伝え忘れていることがいっぱいある気もしますが、明日からのウルトラアート七夕縁日は、言わばウルトラアートのデビューイベントとも言えます。昨年からも活動はしていましたが、本格的なものは今回が初めて。それだけに手探りで慣れないこともいっぱいありますが、ぜひぜひご来場ください。

会場マップはこちらです。チラシから拝借です。

なお、駐車場はこちらになります。

物見山陸上競技場駐車場
・物見山室内競技場駐車場
能美市役所駐車場

億単位で動くアートプロジェクトとは異なり、市民参加型で少なめの予算でもちゃんとできるということ。また、ウルトラアートが目指す、言わば”オープンイノベーション”の精神を出していければと思っています。

皆様のご来場を楽しみにお待ちしております。 あ、浴衣で来るといいことありますよ!!

2014年は日本にとって、オープンデータが飛躍的に伸びる年であると同時に、それを活用したシビックテックと呼ばれるムーブメントが広がっていく年になると思います。

昨年、Code for Kanazawaというシビックテック(Civic Tech)の組織を立ち上げて、ITの力で地域の問題を「安価に」「効率的に」解決することを模索してきました。ほぼ同時期に、Code for Japanの準備会も立ち上がり、全国にシビックテックを広げる素地もできました。

Code for Kanazawa Webサイト

2014年が始まった節目ということで、Code for Kanazawaでの経験をもとに、自分の住む地域にCode for X(つまり、Code for 地域名)を作るにはどうしたらいいかをまとめてみたいと思います。まずはこれが初版ということで(笑)、随時、追加修正していきますね。
いずれはもっともっと具体的にしていきたいと思います。

なお、僕自身はCode for Japanのコアメンバーでもありますが、この考えが唯一つのものというわけでもないので、一つの参考としてご覧ください。これと違うからダメだという話でもありません。※Code for Japanでは、地域のCode for Xをブリゲイドと呼んでいますが、分かりやすさのために、ここではCode for Xで統一します。

STEP1. メンバーを集める

まず、最初にやるべきことは、Code for Xを一緒にやってくれる仲間を集めることです。仲間集めはゆっくりやって構わないと思います。地域の問題解決はハッカソンとは違います。それこそ何年も継続して続けていく必要があるので、無理にメンバーを集めて立ち上げても実態のないスカスカの組織になってしまいます。

Code for Kanazawaはというと…、「やろう!」と決めてから、組織作りに一年をかけました。ここらへんの経緯は、以前書いた“地域におけるCivic Techの重要性 〜 Code for Kanazawaの取り組み 〜”に詳しいです。

集め方もオープンにしなくてはなんて悩む必要はありません。まずはあなたが知っている、あなたをよく知る人から声をかけていってはどうでしょうか。

Code for XはITのコミュニティではないと僕は思っています。ITを道具として使って地域の問題解決をするコミュニティであり、地域をデザインするコミュニティです。だからこそ、メンバーを集めるときも多様な人を集めるべきです。ITのエンジニアやデザイナーはもちろんですが、アーティスト、起業家、自治体職員、地域のNPO参加者、主婦、etc…。

知っている人に紹介してもらうことも含めて、自分で満足できるメンバーを集めていきましょう。

STEP2. 地域の特性を無視しないで考える

Code for Xを作るとき、とても大事なことは、その地域の特性だと僕は考えています。ここを考えないでチェーン店でも作るようにCode for Xは絶対に作れません。なぜなら、その地域の問題は掘り下げていくと、深くその地域に根ざしていて、他と似ているようで異なっているからです。さらに、問題解決をする際は、様々なステークホルダー(利害関係者)を考慮しなければいけませんが、ステークホルダーの関係性や力関係も地域によって異なります。

面倒でもあなたの地域に合ったやり方を見つけていく必要があるでしょう。あなたがそういう部分に疎い場合は、そういうことがよく分かる人に仲間になってもらうのも大事かもしれません。

Code for Japanは、活動の主要な方向性としてブリゲイド=Code for X支援を打ち出しています。もっと言えば、ブリゲイドが日本のシビックテックそのものであり、Code for Japanそのものなのではないかと思います。
地域の多様性を尊重しつつ、その地域の課題を解決するためにも地域性は忘れずに考えておきたいところです。

STEP3. ポリシーを作る

メンバーも集まり、地域のことも分かったとして、早速、活動を開始したいところですが、これまでの経験から最初に基本的なポリシーぐらいは作っておいたほうがいいという気がしています。

細かいルールや規約、定款のようなものまではいりません。
「僕らのCode for Xは、最低限、ココは守りたい」というところをメンバーで決めておくんです。そうしないと活動を始めてから、大事なところで意見の食い違いが出てきます。最悪、動けなくなります。でも、ポリシーさえ決めてあれば、安心です。メンバー全員それに沿って活動していけるし、迷ってもそれに沿って考えればいいからです。また、対外的にも「僕らはこういう考えを持って活動しています」と言いやすくなります。

ちなみに、Code for KanazawaのポリシーはこちらのスライドのP12でも紹介していますので、参考になれば幸いです。理念というよりは、もう少し具体性を持った書き方をしています。
なお、このポリシーに沿って、Code for Kanazawaは普通の委託事業は請けないという方針を貫いています。

STEP4. 動く

ここまで来たら、あとは動くだけです。でも、Code for XはITのコミュニティではありません。大事なのは、ITの前段階にあります。

  1. 問題を見つけること(おそらく真の問題を見つけるのは難しい)
  2. その解決方法を見つけること(真の問題が分かると、解決方法は自ずと分かる)
  3. それをITという手段なら安価で効率的に解決できないかを見つけて、実現すること

これを踏まえて、まずは問題解決の成果を見せていくことが大事でしょう。
もちろん、組織としての継続的な活動のためにお金は必要です。そのためにも、概念やイメージではなく、地域の人たちにCode for Xが何ができるのかを成果物をもって見せないと誰も分かってはくれません。

また、成果をその地域だけでなく、しっかり全国へPRするのは、今度はCode for Japanの役割になってくると思います。

そうすることで、他のCode for Xがその成果物を流用してくれたり、今後、出てくるであろうシビックテック系の企業がビジネスに展開したりする可能性も出てきます。
※Code for Xの成果を企業がビジネスに使うということがいいかという議論はまた別途書きたいと思います。個人的には大賛成という立場でいます。

なお、Code for Kanazawaでは、5374(ゴミナシ)というWebアプリを最初の成果物としてリリースしました。

5374

5374

最後に

Code for Xはその地域のためのものです。別にどこに許可をもらう必要もありませんし、これが正解というものがあるものでもありません。他の地域のCode for Xが良いと思えば真似ればいいですし、異なるアプローチのものがあっても良いと思います。

“Code for” の活動は国内においてはこれからです。どれだけ議論がされても、実際に地域で浸透していくのは、まさにこれからです。成功も失敗もあると思いますが、真摯に取り組んでいけば、その地域における良い解が絶対に見つかります。

いずれ、メンバー集めからも含めて、立ち上げ支援のイベントもできたらいいなぁって思ったりもしています。

ぜひ、あなたの地域のCode for X立ち上げに、このエントリが少しでもお役に立てたら幸いです。

これは、Qitaにて2013年12月6日に投稿した記事の転載です。

こんにちは、Code for Kanazawaの福島です。Code for Japanのメンバーとしても活動しています。

この記事は、Civic Tech (シビックテック)をテーマにした、「Civic Tech Advent Calendar」企画の6日目のための原稿です。他の記事はhttp://qiita.com/advent-calendar/2013/civictechの一覧から見れるようになっており、日ごとに記事が増えていく予定です。

ぜひ、ご覧ください。

さて、僕が今日書くテーマは”地域におけるCivic Techの重要性”です。

Civic Tech(シビックテック)とは何か

まず、Civic Tech(シビックテック)とは何でしょう。1日目のCODE for JAPAN代表関さんのブログにも書かれているように、Civic Techとは地域の問題解決を図るための技術のことを指しています。
ITだけに限る話ではないですが、ITを使うことで「安価に」「効率的に」問題解決を図れる手段を提供できるのではないかと僕は考えています。

例えば、夜の住宅街は街灯がないとかなり暗い場所もありますが、この街灯、たまにきれていたり、点滅して切れかけのときがありませんか?街灯が切れていれば、当然ですが防犯上よくありません。
すぐにでも誰かが然るべきところに「街灯が切れている」ことを伝えるべきなんですが、ここで考えてしまいます。

あれ、誰に連絡するんだろう?面倒そうだな…
明日の朝に連絡しようと思うけど、忘れちゃいそうだな

こんなとき、例えば、街灯が切れているのを見つけたら、すぐにGPSによる位置情報をつけて通知だけできるようなスマートフォンアプリがあったらどうでしょうか。
見つけたその場で簡単に報告できます。連絡先を調べる必要もありません。

こうしたアプリはそれほど開発費用がかかるわけでもありませんし、面倒がらずに市民も簡単に連絡ができます。自治体の方や地区の方も街灯が切れている箇所を無理なく知ることができるようになります。
最終的には、街灯が切れることのない安全な街を作ることができるでしょう。

テクノロジーを上手に使えば、安価に効率的に、自分の住む街の問題を解決できるわけです。

Code for Kanazawa(CfK)の誕生経緯

僕が生活圏としている石川県金沢市は人口46万人ほどの程よい感じの大きさの町です。前田家加賀百万石の城下町だったため、歴史的な文化資産や観光地も多いです。最近ではそれに加えて金沢21世紀美術館鈴木大拙館に代表されるような現代建築やアートも観光の目玉になってきていました。
大学も非常に多く、金沢市は文化と産業が融合したとても良い町です。
また、NPOも数多くあり、それぞれがそれぞれの地域問題を解決するために活動しています。

しかし、ふと見てみるとテクノロジーに強い、そして必要ならばコードを書くこともできる非営利の活動団体がないことに気づきました。
アメリカでは、Code for Americaという団体が既に存在しているのに。

そこで、2012年から金沢市をはじめとした自治体の方々、地域企業や個人の方に賛同を求めて準備を進め、2013年5月にCode for Kanazawa(CfK)を設立しました。
設立当初のメンバーは9人。当初からエンジニアだけではなく、デザイナーや起業家、映像作家など多様な人たちで構成しています。また、金沢市とも色々な情報交換を定期的に行いながら、自治体と共に問題解決をしていく方向を打ち出しました。
正直、日本版Code for Americaのようなものをどう作ればいいか手探りだったので、全てが実験という感じです。

設立してからWebサイトの立ち上げ等を行った後、僕らがまずやったのは「Civic Techという概念」と「Code for Kanazawaの価値」を分かってもらうために具体的なコードを書くことでした。

その成果が、5374(ゴミナシ).jpです。
金沢市はゴミの収集区分として70以上もの地区に細かく分かれ、しかもその区分は地区単位ではなく、1〜4丁目までは○○で、5丁目〜7丁目と隣の地区は××でというふうに複雑に分かれています。引っ越してきた人や学生にはとても分かりづらい状態でした。
また、金沢市にとってもその分かりにくさによる問い合わせが一つの課題となっていました。

僕らはその問題をシンプルにITで解決するものとして、5374(ゴミナシ)を作ったわけです。
見て分かる通り面倒な操作は必要なく、最初に地区さえ設定すれば、一画面でどのゴミをいつ捨てればいいか分かるように表示されます。収集日が近い順に、ゴミ種別ごとに色分けされて。
*何度もボタンを押すような操作は必要なしです。慣れれば色だけで分かりますね*

5374

5374

 

地域にとってのCivic Tech

Code for Kanazawaの活動はまだ始まったばかりですが、5374.jpのローンチにより、とても前向きで肯定的なご意見をたくさん頂きました。参加したいと言ってくれる方や(5374の導入への興味も含め)CfKの活動に興味を持ってくださる自治体も増えました。

地域にとってのCivic Techにはどういう意味があるのでしょうか?
Civic Techは魔法の杖というわけではないですが、地域の問題を解決する方法の一つとして確実に有効です。

  1. まず、市民と自治体が協働で取り組んで問題を認識し、その解決手段を考えるというだけでも意味があります。
  2. さらに、ITという道具を利用することで、安価に効率的に問題解決をはかれます。
  3. そして、そのツールを使って、市民自身が問題解決に参加することもありえます。(例:冒頭の街灯の事例のように)

大事なのは、地域の問題は地域の独自性があるということです。共通性はあるとしても、自分たちの住む地域の文化や風習みたいなものは確実にあります。金沢にもあります。
だから、他でできても金沢ではできないことだってあるでしょう。
それを理解して、自分たちの住む地域に上手に適用するのが、その地域のCivic Tech団体だと思っています。

Civic Techは人口減少に悩む過疎地域や予算の多くない地域(それはどこもそうだと言われそうですが)こそ特に有効です。

あなたの住む地域にCivic Techの団体がありますか?なければ、近隣のCivic Tech団体と連携をとれませんか?または作ってみませんか?

最後に

僕が考えるCivic Techはオープンデータやオープンガバメントとイコールではありません。まずは、問題解決ありきであり、仮にITを必要とせずに安価に効率的に解決できるなら、それがいいでしょう。無理にITを使う必要はないんです。

もし、ITによって有効な解決方法があり、オープンデータを使えば解決できるなら積極的に使えばいいです。もし、ない場合は、その自治体にオープンデータとして提供してくれるよう要請するといいでしょう。
決して、今存在するオープンデータから何ができるのかと考えるべきではありません。

これからのオープンデータは一方的なデータ提供だけでなく、利用者側から要請されて創られるデータも多くなるのではないでしょうか。

行政任せ、他人任せでは何かうまくいかないことを皆も気づき始めているはずです。

僕らの住む街は僕らが創りましょう!