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月別アーカイブ: 1月 2014

2014年は日本にとって、オープンデータが飛躍的に伸びる年であると同時に、それを活用したシビックテックと呼ばれるムーブメントが広がっていく年になると思います。

昨年、Code for Kanazawaというシビックテック(Civic Tech)の組織を立ち上げて、ITの力で地域の問題を「安価に」「効率的に」解決することを模索してきました。ほぼ同時期に、Code for Japanの準備会も立ち上がり、全国にシビックテックを広げる素地もできました。

Code for Kanazawa Webサイト

2014年が始まった節目ということで、Code for Kanazawaでの経験をもとに、自分の住む地域にCode for X(つまり、Code for 地域名)を作るにはどうしたらいいかをまとめてみたいと思います。まずはこれが初版ということで(笑)、随時、追加修正していきますね。
いずれはもっともっと具体的にしていきたいと思います。

なお、僕自身はCode for Japanのコアメンバーでもありますが、この考えが唯一つのものというわけでもないので、一つの参考としてご覧ください。これと違うからダメだという話でもありません。※Code for Japanでは、地域のCode for Xをブリゲイドと呼んでいますが、分かりやすさのために、ここではCode for Xで統一します。

STEP1. メンバーを集める

まず、最初にやるべきことは、Code for Xを一緒にやってくれる仲間を集めることです。仲間集めはゆっくりやって構わないと思います。地域の問題解決はハッカソンとは違います。それこそ何年も継続して続けていく必要があるので、無理にメンバーを集めて立ち上げても実態のないスカスカの組織になってしまいます。

Code for Kanazawaはというと…、「やろう!」と決めてから、組織作りに一年をかけました。ここらへんの経緯は、以前書いた“地域におけるCivic Techの重要性 〜 Code for Kanazawaの取り組み 〜”に詳しいです。

集め方もオープンにしなくてはなんて悩む必要はありません。まずはあなたが知っている、あなたをよく知る人から声をかけていってはどうでしょうか。

Code for XはITのコミュニティではないと僕は思っています。ITを道具として使って地域の問題解決をするコミュニティであり、地域をデザインするコミュニティです。だからこそ、メンバーを集めるときも多様な人を集めるべきです。ITのエンジニアやデザイナーはもちろんですが、アーティスト、起業家、自治体職員、地域のNPO参加者、主婦、etc…。

知っている人に紹介してもらうことも含めて、自分で満足できるメンバーを集めていきましょう。

STEP2. 地域の特性を無視しないで考える

Code for Xを作るとき、とても大事なことは、その地域の特性だと僕は考えています。ここを考えないでチェーン店でも作るようにCode for Xは絶対に作れません。なぜなら、その地域の問題は掘り下げていくと、深くその地域に根ざしていて、他と似ているようで異なっているからです。さらに、問題解決をする際は、様々なステークホルダー(利害関係者)を考慮しなければいけませんが、ステークホルダーの関係性や力関係も地域によって異なります。

面倒でもあなたの地域に合ったやり方を見つけていく必要があるでしょう。あなたがそういう部分に疎い場合は、そういうことがよく分かる人に仲間になってもらうのも大事かもしれません。

Code for Japanは、活動の主要な方向性としてブリゲイド=Code for X支援を打ち出しています。もっと言えば、ブリゲイドが日本のシビックテックそのものであり、Code for Japanそのものなのではないかと思います。
地域の多様性を尊重しつつ、その地域の課題を解決するためにも地域性は忘れずに考えておきたいところです。

STEP3. ポリシーを作る

メンバーも集まり、地域のことも分かったとして、早速、活動を開始したいところですが、これまでの経験から最初に基本的なポリシーぐらいは作っておいたほうがいいという気がしています。

細かいルールや規約、定款のようなものまではいりません。
「僕らのCode for Xは、最低限、ココは守りたい」というところをメンバーで決めておくんです。そうしないと活動を始めてから、大事なところで意見の食い違いが出てきます。最悪、動けなくなります。でも、ポリシーさえ決めてあれば、安心です。メンバー全員それに沿って活動していけるし、迷ってもそれに沿って考えればいいからです。また、対外的にも「僕らはこういう考えを持って活動しています」と言いやすくなります。

ちなみに、Code for KanazawaのポリシーはこちらのスライドのP12でも紹介していますので、参考になれば幸いです。理念というよりは、もう少し具体性を持った書き方をしています。
なお、このポリシーに沿って、Code for Kanazawaは普通の委託事業は請けないという方針を貫いています。

STEP4. 動く

ここまで来たら、あとは動くだけです。でも、Code for XはITのコミュニティではありません。大事なのは、ITの前段階にあります。

  1. 問題を見つけること(おそらく真の問題を見つけるのは難しい)
  2. その解決方法を見つけること(真の問題が分かると、解決方法は自ずと分かる)
  3. それをITという手段なら安価で効率的に解決できないかを見つけて、実現すること

これを踏まえて、まずは問題解決の成果を見せていくことが大事でしょう。
もちろん、組織としての継続的な活動のためにお金は必要です。そのためにも、概念やイメージではなく、地域の人たちにCode for Xが何ができるのかを成果物をもって見せないと誰も分かってはくれません。

また、成果をその地域だけでなく、しっかり全国へPRするのは、今度はCode for Japanの役割になってくると思います。

そうすることで、他のCode for Xがその成果物を流用してくれたり、今後、出てくるであろうシビックテック系の企業がビジネスに展開したりする可能性も出てきます。
※Code for Xの成果を企業がビジネスに使うということがいいかという議論はまた別途書きたいと思います。個人的には大賛成という立場でいます。

なお、Code for Kanazawaでは、5374(ゴミナシ)というWebアプリを最初の成果物としてリリースしました。

5374

5374

最後に

Code for Xはその地域のためのものです。別にどこに許可をもらう必要もありませんし、これが正解というものがあるものでもありません。他の地域のCode for Xが良いと思えば真似ればいいですし、異なるアプローチのものがあっても良いと思います。

“Code for” の活動は国内においてはこれからです。どれだけ議論がされても、実際に地域で浸透していくのは、まさにこれからです。成功も失敗もあると思いますが、真摯に取り組んでいけば、その地域における良い解が絶対に見つかります。

いずれ、メンバー集めからも含めて、立ち上げ支援のイベントもできたらいいなぁって思ったりもしています。

ぜひ、あなたの地域のCode for X立ち上げに、このエントリが少しでもお役に立てたら幸いです。

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