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月別アーカイブ: 12月 2013

これは、Qitaにて2013年12月6日に投稿した記事の転載です。

こんにちは、Code for Kanazawaの福島です。Code for Japanのメンバーとしても活動しています。

この記事は、Civic Tech (シビックテック)をテーマにした、「Civic Tech Advent Calendar」企画の6日目のための原稿です。他の記事はhttp://qiita.com/advent-calendar/2013/civictechの一覧から見れるようになっており、日ごとに記事が増えていく予定です。

ぜひ、ご覧ください。

さて、僕が今日書くテーマは”地域におけるCivic Techの重要性”です。

Civic Tech(シビックテック)とは何か

まず、Civic Tech(シビックテック)とは何でしょう。1日目のCODE for JAPAN代表関さんのブログにも書かれているように、Civic Techとは地域の問題解決を図るための技術のことを指しています。
ITだけに限る話ではないですが、ITを使うことで「安価に」「効率的に」問題解決を図れる手段を提供できるのではないかと僕は考えています。

例えば、夜の住宅街は街灯がないとかなり暗い場所もありますが、この街灯、たまにきれていたり、点滅して切れかけのときがありませんか?街灯が切れていれば、当然ですが防犯上よくありません。
すぐにでも誰かが然るべきところに「街灯が切れている」ことを伝えるべきなんですが、ここで考えてしまいます。

あれ、誰に連絡するんだろう?面倒そうだな…
明日の朝に連絡しようと思うけど、忘れちゃいそうだな

こんなとき、例えば、街灯が切れているのを見つけたら、すぐにGPSによる位置情報をつけて通知だけできるようなスマートフォンアプリがあったらどうでしょうか。
見つけたその場で簡単に報告できます。連絡先を調べる必要もありません。

こうしたアプリはそれほど開発費用がかかるわけでもありませんし、面倒がらずに市民も簡単に連絡ができます。自治体の方や地区の方も街灯が切れている箇所を無理なく知ることができるようになります。
最終的には、街灯が切れることのない安全な街を作ることができるでしょう。

テクノロジーを上手に使えば、安価に効率的に、自分の住む街の問題を解決できるわけです。

Code for Kanazawa(CfK)の誕生経緯

僕が生活圏としている石川県金沢市は人口46万人ほどの程よい感じの大きさの町です。前田家加賀百万石の城下町だったため、歴史的な文化資産や観光地も多いです。最近ではそれに加えて金沢21世紀美術館鈴木大拙館に代表されるような現代建築やアートも観光の目玉になってきていました。
大学も非常に多く、金沢市は文化と産業が融合したとても良い町です。
また、NPOも数多くあり、それぞれがそれぞれの地域問題を解決するために活動しています。

しかし、ふと見てみるとテクノロジーに強い、そして必要ならばコードを書くこともできる非営利の活動団体がないことに気づきました。
アメリカでは、Code for Americaという団体が既に存在しているのに。

そこで、2012年から金沢市をはじめとした自治体の方々、地域企業や個人の方に賛同を求めて準備を進め、2013年5月にCode for Kanazawa(CfK)を設立しました。
設立当初のメンバーは9人。当初からエンジニアだけではなく、デザイナーや起業家、映像作家など多様な人たちで構成しています。また、金沢市とも色々な情報交換を定期的に行いながら、自治体と共に問題解決をしていく方向を打ち出しました。
正直、日本版Code for Americaのようなものをどう作ればいいか手探りだったので、全てが実験という感じです。

設立してからWebサイトの立ち上げ等を行った後、僕らがまずやったのは「Civic Techという概念」と「Code for Kanazawaの価値」を分かってもらうために具体的なコードを書くことでした。

その成果が、5374(ゴミナシ).jpです。
金沢市はゴミの収集区分として70以上もの地区に細かく分かれ、しかもその区分は地区単位ではなく、1〜4丁目までは○○で、5丁目〜7丁目と隣の地区は××でというふうに複雑に分かれています。引っ越してきた人や学生にはとても分かりづらい状態でした。
また、金沢市にとってもその分かりにくさによる問い合わせが一つの課題となっていました。

僕らはその問題をシンプルにITで解決するものとして、5374(ゴミナシ)を作ったわけです。
見て分かる通り面倒な操作は必要なく、最初に地区さえ設定すれば、一画面でどのゴミをいつ捨てればいいか分かるように表示されます。収集日が近い順に、ゴミ種別ごとに色分けされて。
*何度もボタンを押すような操作は必要なしです。慣れれば色だけで分かりますね*

5374

5374

 

地域にとってのCivic Tech

Code for Kanazawaの活動はまだ始まったばかりですが、5374.jpのローンチにより、とても前向きで肯定的なご意見をたくさん頂きました。参加したいと言ってくれる方や(5374の導入への興味も含め)CfKの活動に興味を持ってくださる自治体も増えました。

地域にとってのCivic Techにはどういう意味があるのでしょうか?
Civic Techは魔法の杖というわけではないですが、地域の問題を解決する方法の一つとして確実に有効です。

  1. まず、市民と自治体が協働で取り組んで問題を認識し、その解決手段を考えるというだけでも意味があります。
  2. さらに、ITという道具を利用することで、安価に効率的に問題解決をはかれます。
  3. そして、そのツールを使って、市民自身が問題解決に参加することもありえます。(例:冒頭の街灯の事例のように)

大事なのは、地域の問題は地域の独自性があるということです。共通性はあるとしても、自分たちの住む地域の文化や風習みたいなものは確実にあります。金沢にもあります。
だから、他でできても金沢ではできないことだってあるでしょう。
それを理解して、自分たちの住む地域に上手に適用するのが、その地域のCivic Tech団体だと思っています。

Civic Techは人口減少に悩む過疎地域や予算の多くない地域(それはどこもそうだと言われそうですが)こそ特に有効です。

あなたの住む地域にCivic Techの団体がありますか?なければ、近隣のCivic Tech団体と連携をとれませんか?または作ってみませんか?

最後に

僕が考えるCivic Techはオープンデータやオープンガバメントとイコールではありません。まずは、問題解決ありきであり、仮にITを必要とせずに安価に効率的に解決できるなら、それがいいでしょう。無理にITを使う必要はないんです。

もし、ITによって有効な解決方法があり、オープンデータを使えば解決できるなら積極的に使えばいいです。もし、ない場合は、その自治体にオープンデータとして提供してくれるよう要請するといいでしょう。
決して、今存在するオープンデータから何ができるのかと考えるべきではありません。

これからのオープンデータは一方的なデータ提供だけでなく、利用者側から要請されて創られるデータも多くなるのではないでしょうか。

行政任せ、他人任せでは何かうまくいかないことを皆も気づき始めているはずです。

僕らの住む街は僕らが創りましょう!

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